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2005/05/21

アボリジニの言語(その1・概要)

アボリジニって何語を話すの?なんていう事を訊かれることも少なくないんだけど、これって答えるのがちょっと難しい。別に専門家ってわけぢゃないし、いろいろだし。

一般的に言って、普通に出会うアボリジニはたいてい英語が話せる。けど、彼らは数万年前からオーストラリアに住んでたわけだし、当たり前の事だけど、数万年前から英語を話してたわけぢゃない。オーストラリアは広いので地域によって別々の言葉とか方言とかがあって、イギリス人が侵略する前には諸説あるけど、言語の数は500とも600とも言われているらしい(注1)

その後、虐殺やら伝染病やら文化的ジェノサイドやらで数は激減して、今は200位しか残ってないらしく、しかも日常的に使われているのはわずか20位という話で。その中でも、ノーザンテリトリー(以下NT)には比較的伝統的な文化が残っているらしい。

ちなみに、地名とかでアボリジニの言葉というか単語は各地に残っていて、例えばシドニー近郊で有名なボンダイビーチのボンダイは、「砕け散る波」という意味とか・・・比較的入植当時に接触した地域のアボリジニの単語は地名という形で多く残されているんだけど、そういった場所は都会化が進んで、といえば聞こえはいいけど、結果としてアボリジニの人たちは淘汰されて、それらの単語を日常的に使える人はもう残っていなかったり。

最近になって、アボリジニの文化とか権利が見直されて、言語についても「なんとかしなきゃ」と思う人たちが増えてきたらしく、メンテナンスとかリバイバルとか、そういった形で維持したり復活させたり、という動きが盛んになりつつはあるらしいけど。

リバイバルに関しては、QLDのtjapukai族(注2)とかは、一度は途絶えた文化を復活させるために頑張って、それなりの成果をあげてるみたいだし、アデレード大学でもアデレード周辺の部族の言語を復活させるプロジェクトなんてのがあるらしい。今もそのプロジェクトがあるのか不明(注3)だけど。

個人的には言語は文化の要、と思っているので、出来るだけ多くの言語が残って欲しいけど、今世紀末まで生き残れるのは、たぶん10にも満たないのでは、と悲観的な予想を立ててしまったり。最近はアボリジニの子供が通う学校で、英語と共に地元の言語を教える試みもあるみたいだから、一つでも多くの言語に生き残って欲しいな、と思うんだけど。


注1:まぁ、何度も言うけど専門家ぢゃないし、これは学術論文ではないからReferenceとか出すつもりないので、この手の数値は「だいたいこんなもん」ということです。Reference出したって、出典によってばらつきがあるんだから、正確な数値なんて、あってないようなもん。しかも、イギリス入植前の事なんてどうやって証明するんだか、と小一時間問い詰めたいのは誰でも同じ(笑)

注2:ジャプカイ族、ですね。テリトリーはケアンズ周辺です。言語のみならず、文化的な復活を目指しているらしく、ジャプカイダンスシアターとかで彼らの文化を垣間見ることができます。ジャプカイの歴史劇場では、過去に白人がいかに酷いことしてきたか、という事が余すことなく表現されていて、上映後に観光気分で見に来たオージーとかが気まずそうにしてるさまは一見の価値あり。一応、礼儀として白い目で見てあげる事も忘れずに。<我ながら性格悪いよなぁ(笑)

注3:結局失われた物が、元に戻るわけはなく。忘れられた単語は中央砂漠地方のPitjantjatjara語とかから借用したり、という涙ぐましい努力をしてた、らしい。この手のプロジェクトには興味がないので、フォローするつもりもないんだけど、それより現存する言語をいかにメンテナンスするか、に頭を絞ってお金と時間をかけた方が有意義な気がするんだけど。

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